1.1 ポルトガルの道(Camino Portugués)を歩くにあたって
サンティアゴ巡礼路で最も人気のルートはフランス人の道(Camino Frances)ですが次に巡礼者が
多く歩いているのはポルトガルの道(Camino portugés)です。
既に銀の道(Via de la Plata)、北の道(Camino del Norte)と主要なルートを歩いてきましたの
でポルトガルの道(Camino Portugués)が残っている事が気になっておりました。
しかしながらポルトガルの道(Camino Portugués)はポルトガル国内にアルベルゲが無い、ポルト
ガル語が話せない等の問題もあり後回しになっておりました。
2017年は10月中旬以降に歩く事になり人気のルートも巡礼者が少なくなるのではないかとの期待と
比較的温暖と言われているこの道を歩くことにしました。
ポルトガルの道(Camino Portugués)のリスボン(Lisboa)からポルト(Porto)間はオリジナル
の道が少なく一般の舗装道路歩きが多いと聞いておりましたので出発点をコインブラ(Coimbra)と
しました。
1.2 歩いた行程と宿泊先
2017年10月中旬からリスボン(Lisboa)、トマール(Tomar)を市内観光しコインブラ(Coimbra)
を出発点として約300Km歩きました。
歩いた行程(Etapa)と宿泊先について下記に示します。
「Camino Portugués行程」
2017年10月16日(月)~10月19日(木)
ポルトガルは2009年にフランス人の道(Camino Francés)を歩き終えてからバスでポルト
(Porto)市内へ行き一日観光をしたのみでしたので、今回はポルトガル人の道(Camino
Portugués)の出発点であるリスボン(Lisboa)と世界遺産となっているテンプル騎士団の
修道院があるトマール(Tomar)へ立ち寄りました。
下記にリスボン(Lisboa)とトマール(Tomar)の概要を記載します。
(1)リスボン(Lisboa)<10月16日(月)、10月17日(火)>
リスボン(Lisboa)はポルトガルの首都でタホ川(Rio Tajo: ポルトガル語では O Tejo:テー
ジュ:テージュ川とも言う)の河口に広がる人口約54万7千人のポルトガルの首都です。
この街の歴史は古く紀元前1,200年頃のフェニキア人の交易地であったとされ、リスボン大聖堂
(Se)の地下からは紀元前8世紀のフェニキア人の遺跡が発掘されています。
15~17世紀にかけての大航海時代にもっとも栄え、またこの頃、海外交易によって得た莫大な富で、
ジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos)などの大建築物が築かれていきました。
旧市街は狭い街中に坂道が多く市外電車が抜けていく光景は観光客にも大人気です。
サンティアゴ巡礼の起点は市内の南西にあるリスボン大聖堂(Sé de Lisboa;又はサンタ・マリア・
マイオール・デ・リシュボア大聖堂;Santa Maria Maior de Lisboa)です。
大聖堂の建築はアルフォンソ1世がイスラムから再征服した1147年始まり、当初は後期ロマネスク
様式で建築されましたが13世紀後半に主礼拝堂をゴシック様式に改築しました。
さらに18世紀にはネオクラシカル様式とロココ様式に改築されるという異なる建築様式の混合に
なっています。
大聖堂内でクレデンシャルにスタンプが貰えますのでポルトガル人の道(Camino Portugués)を
歩く巡礼者が必ず立ち寄る場所です。
リスボンの中心部からトラムで30分程度のベレン地区には大航海時代にヴァスコ・ダ・ガマが海外
遠征に出発したジェロニモス修道院 (Mosteiro dos Jeronimos) 、ベレンの塔 (Torre de Belem)
や発見のモニュメント (Padrao dos Descobrimentos) があり、観光客の必見の地区であること
から多くの観光客で賑わっています。
リスボン大聖堂(Sé de Lisboa) | リスボン大聖堂の回廊 |
発見のモニュメント (Padrao dos Descobrimentos) |
ベレンの塔 (Torre de Belem) |
(2) トマール(Tomar) <10月18日(水)>
トマール(Tomar)はリスボン(Lisboa)から北へ約150Km、列車で2時間程の人口約40,000人
の中小都市です。市内にはナバオン川(Rio Nabao)が流れ緑の多い静かな町です。
1492年以降、スペインでの異端審問本格的になると多くのユダヤ人がこの街へ流れてきました。
その後反宗教改革でユダヤ人が追放されたりキリスト教に改宗させられたとの事ですが現在でも市内
にユダヤ教のシナゴーグが現存しています。
市内の高台に世界遺産のトマールのキリスト教修道院(Convento de Cristo em Tomar)があり
ます。この修道院は12世紀にテンプル騎士団によって建設されました。
修道院の城塞はムーア人との攻防の砦となったことから城の様に堅甲な作りとなっています。特徴的
な建物エルサレムのオマール・モスクを模した円堂(Rotonda)です。外側から見ると16角形をして
おり鐘楼を持っています。円堂の内部は、8角形の構造をしており、周歩回廊へとつながるアーチと
結ばれているロマネスク様式です。
回廊はゴシック様式の墓の回廊(Claustro do Cemitério)と沐浴の回廊(Claustro da Lavagem)
があり、さらに16世紀のサンタ・バルバラの回廊(Claustro de Santa Bárbara)等が見られます。
とにかく圧倒的な広さと大きさの修道院で圧巻でした。
キリスト教修道院 (Convento de Cristo em Tomar) |
16角形の聖堂(Charola) |
回 廊 | 修道院の外観 |
(3)ファティマ(Fatima)<ファティマの道(Camino Fatima)>
ファティマ(Fatima)はトマール(Tomar)の西約20Km程度にある著名なキリスト教の巡礼
地です。1917年5月にこの地で3人の子供の前に聖母(ファティマの聖母)が出現し、その後
10月まで毎月13日に幾つかの預言を残しました。1930年にこの出現はローマ法王から公認され
巡礼地として多くの人が訪れています。
今年(2017年)はファティマの聖母の出現から100年となる事から祝賀行事が行われました。
サンティアゴ巡礼の巡礼者もファティマ(Fatima)を出発点としたり、サンティアゴ・デ・
コンポステーラ(Santiago de Compostela)へ到着後にファティマ(Fatima)まで歩く巡礼
者がいます。
リスボンン(Lisboa)及びサンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)
からのファティマの道(Camino Fatima)の行程がポルトガル観光局から配布されていますの
で下記に添付します。
「CAMINOHOS DE FÁTIMA」
ポルトガルの道(Camino Portugués)と同じ区間のファティマの道(Camino Fatima)は
青い矢印で示されており道標も時々あります。
10月19日(木)にトマール(Tomar)からコインブラ(Coimbra)へ移動の際にバスでファ
ティマ(Fatima)を経由しましたが早朝のバスの車内から大聖堂の塔を見る事が出来ました。
(1)コインブラ(Coimbra)
2017年10月19日(木) 曇り時々雨
早朝のバスでトマール(Tomar)からコインブラ(Coimbra)へ移動し市内の観光をしました。
コインブラ(Coimbra)はポルトガル最古のコインブラ大学(Universidad de Coimbra)の
ある都市として有名です。人口は約14万8千人でポルト(O Poro)から南12Km、リスボン
(Lisboa)から195Km北にあり交通の要所になっています。
旧市内はモンデゴ川(Rio Mondego)に沿っており巡礼路が市内へ入るサンタ・クララ橋
(Ponte de Santa Clara)から高台に聳えるコインブラ大学(Universidad de Coimbra)を
望むことが出来ます。
コインブラ(Coimbra)は古代ローマ時代にアエミニウム(Aeminium)と呼ばれ。コインブラ
から南に約15kmにあるコニンブリガ考古遺跡は、イベリア半島に残る最大規模の都市遺跡です。
コインブラ大学(Universidad de Coimbra)は1290年の建設でコインブラ(Coimbra)の
発展に寄与してきました。現在でも8つの学部に2万2千人の学生が学んでおり黒いマントが特徴
です。
コインブラ(Coimbra)の旧大聖堂(Sé Velha de Coimbra)はポルトガルで最も重要なロマ
ネスク様式の建築で1162年頃に着工し、1184年に公開されています。外観は狭い窓と銃眼付きの
胸壁を持ち高さがありますが、これはムーア人のとの交戦中に建てられたためと言われてます。
この日はあいにく曇り空で時折雨が降るあいにくの天候でしたので大学構内の博物館や旧大聖堂等
を見学してアルベルゲの様なゲストハウスへ泊まりましたがリスボン(Lisboa)から歩いている
巡礼者やサンティアゴ巡礼を終えてポルトガル観光をしている韓国人の巡礼者と一緒になりました。
ポルタジュン広場(Largo da Portagem) | サンタ・クルス教会(Igreja de Sta. Cruz) |
8月広場(Praça 8 de Maio) | 大学の高台から市内を望む |
コインブラ旧大聖堂(Sé Velha de Coimbra) | 旧大聖堂の中庭 |
(2) コインブラ(Coimbra)から – メアリャーダ(Mealhada) 23.7km
10月20日(金) 雨時々曇り
Coimbra(07:30)ー Trouxemil(09:45)- 林道(10:30)-Santiago345Km(12:30)
- Mala(12:55)- Mealhada(13:10) -Residencial Hilário (13:30)
3日間のポルトガル観光を終えて今日から歩き始めます。
昨夜は雨が降っていたので朝食後に雨具の支度をして宿を出発する。昨夜宿には巡礼者が一人
泊まっていて一緒に朝食を食べていたので挨拶をするとリスボン(Lisboa)から歩いていると
の事でした。
地図でルートを調べておいたので市内のバスターミナルから川(Rio Mondego)沿いに向かって
左折し、公園沿いの道路へ出るとポルトガルの道(Camino Portugués)の標識がありました。
10分程度国道(N-1)沿いの歩道を歩きロータリーからやや静かな道路に入って小川沿いの道を
歩きました。
アデーミア(Ademia)の街からフォルノス川(Rio Fornos)の橋を渡ると住宅街の坂道を暫く
登り、高速道路(AP3)を過ぎて坂を登りきった所に十字架があり商店がありましたのでジュース
を買って場所を聞くと、トロウセミル(Trouxemi)とのことです。
此処まで約10kmで2時間15分ですのでなんとか順調です。
暫く高原上の住宅街を歩き、サルジェント・モル(Sargento Mor)を過ぎるとアルベルゲの看板
がありサンティゴまで345kmと書いてありました。
この近辺にはオリーブ畑が有り村の人が木の下にビニールシートを広げて収穫をしているのを見る
ことが出来ました。
国道(N-1)へ出て登り道になりサンタ・ルシア(Santa Luzia)でバルコウソ(Barcouco)へ
の分岐になる交差点を過ぎると初めてアスファルトではない林の林道を歩くことが出来ました。
鉄道の高架橋を渡り暫く歩くとメアリャーダ(Mealhada)の市内へ入ります。
中心部(Centro)の公園から国道(N-1)沿いを1.5km歩いたところに今日の宿(Residencial
Hilário)が有りましたが宿の敷地内にアルベルゲも併設していました。
今日は途中でやや雨が降ってきましたが宿につく頃には止み洗濯をして軒下に干しておきました。
初めてのポルトガルの道であったがコインブラ(Coimbra)の市街地を出ても住宅が多くほとん
どアスファルトの道で石畳の道も多く雨に濡れていると滑りやすく危険です。
アデーミア(Ademia)の街角 | トロウセミル(Trouxemi)の巡礼者像 |
静かな巡礼路 | オリーブの収穫 |
メアリャーダ(Mealhada)の広場 | メアリャーダ(Mealhada)の宿 |
(2) メアリャーダ(Mealhada)からアゲダ(Agueda) 23.9km 39,814歩
10月21日(土) 曇り後晴れ
Guest House(07:40)ー Alpalhão(08:20)- Estádio Municipal de Anadia(09:05)
ー Alfeloas(09:45)- Avelãs de Caminho(11:05)
- Igresia de Agueda de Baixo (12:10) ー Agueda(14:00)
- Residencial Celeste(14:20)
朝起きると薄日も差して天気の回復が感じられました。 宿から少し戻って巡礼路に戻ると直ぐ
に林道のような静かな林間の巡礼路になります。40分程度でアルパリョン (Alpalhão)の村で
まだ朝早いためか人影はなく村の協会がひっそりと立っています。
ここから農道になりブドウ畑が広がっていましたが既に収穫を終えていました。
ここから道路を渡ったりしていくと、やがて工業団地に出て赤く塗られた歩道が暫く続き巡礼路
の雰囲気が台無しです。直ぐに総合運動場(Estádio Municipal de Anadia)の素晴らしい設備
の区域があります。週末の早朝の為かこれからサッカーの試合の準備をしているのが見らました。
グランドを離れ団地の中の坂道を登とサッカーグラフの建物あり周辺には露天商店も出て賑わ
っていました。
巡礼路は交差点を渡り墓地(Cemitério de Anadia)の横を通ってアナディア (Anadia)の
街中を迂回する様に歩き、まもなくにアルフェロアス(Alféloas)に着いてBarが有ったので
コーヒーを飲んで休憩としました。
再び工業団地の中を歩いて静かな住宅街をを過ぎると1時間半程度でアヴェランス デ・カミー
ニョ(Avelãs de Caminho)の街へ入りました。街の交差点手前にはファティマ(Fatima)へ
111Kmの道標があり、ここがファティマ(Fatima)への分岐点の様です。
すぐ先の交差点にはSantiagoへ303kmの道標が有りました。
さらにやや農地の中を歩いていくとアズレージョの素晴らしい教会(Igresia de Agueda de
Baixo )の前に出ました。 中を見学したいと思いましたが残念ながら閉まっていました。
丁度昼時であったので教会の前に座って持っていたボカディージョを食べて休憩としました。
やや坂道を下っていくとアゲア・デ・バイショ (Aguada de Baixo)の街を通ります。ここ
からまた静かな巡礼路になり石畳の歩道を歩いてアゲダ川(Rio Agueda)の橋を渡りアゲダ
(Agueda)の街へ入ります。
アゲダ(Agueda)は人口約4万7千人の小さな町ですが毎年7月上旬から9月いっぱい、アン
ブレラ・スカイプロジェクト(Umbrella Festival)が開催されています。 街のストリートが、
色とりどりの傘でデコレーションされ多くの観光客が訪れるとの事です。
この街にもレジデンスとアルベルゲを兼ねた宿が街からやや離れたところにあり、そこへ泊ま
ることにしました。
ポルトガルの道(Camino Portugués)の2日目ですが市街から離れても住宅や工場等が多く、
殆どがアスファルトや石畳が多い巡礼路です。ポルトガル語が全く分からないのでレストラン
等では苦労していますがこれも旅の楽しさと思います。
アナディア (Anadia)の総合運動場 | アズレージョの石碑 |
ファティマ(Fatima)への道標 | サンティアゴ(Sntiago)へ303Km |
Igresia de Agueda de Baixo | アゲダ(Agueda)の街へ入る |
(3) アゲダ(Agueda)から
アルベル ガリア・ア・ ヴェーリャ(Albergaria-a-Velha) 16.3km 29,187歩
<午後、ポルト(Port)へ移動>
10月22日(日) 晴れ
Agueda (07:50)ー Museu Etnográfico da Região do Vouga(08:50)-
Vouga(09:30)-
Ponte de Vouga(09:40)- Serém de Cima<林道>(10:25)
- Albergaria-a-Velha (11:20) =<バス>= Porto(14:30)
昨夜はアルベルゲを併設しているレジデンス(Residencial Celeste)に泊まりましたが€35-
でホテル波の朝食付きでしたのでポルトガルはスペインよりも若干物価が安い気がします。
宿を出ると巡礼路から外れたが国道沿いの為、そのまま15分程度歩くとアゲダ(Agueda)か
らの巡礼路に交差するところがあり巡礼路に戻って住宅街を歩きました。
今日は日曜日の為か道路も人通りもなく静かであった。なかなか古い瀟洒な住宅も多く宿を出て
約1時間程度でレンガ作りの民族博物館(Museu Etnográfico da Região do Vouga)があり
ました。
国道(N-1)を渡って住宅街からやや坂道を下り脇道へ入ると川沿いの公園にでて釣りをしている
人が数人いました。正面の高台に素晴らしいヴォウガ(Vouga)の教会(Mourisca do Vouga)
の鐘楼が見えあそこまで登るのかと思っていると直ぐ国道(N-1)沿いに戻りそのまま歩きます。
20分程度で国道(N-1)の高架橋から川(Rio Vouga)を渡りますが200m程度先に古い橋が有り
橋の真ん中で崩落していました。従来の巡礼路はこの橋を渡っていたましたが2011年に壊れた
とのことで現在は国道(N-1)を迂回しているのが残念です。
セレン・デ・シーマ(Serém de Cima)の村の十字架を過ぎると林間の巡礼路になり入口に
案内板と道標もありやっと林の中の巡礼路らしい道を歩くことが出来ました。
巡礼路はやや坂道を下って高速道路(A25)の高架橋を渡るとアルベルガリア・ア・ヴェーリャ
(Albergaria-a-Velha)の街に着きましたが、街の入口にアルベルゲ(Albergue Rainha D.
Tereza)が有りましたが受付は午後からの様でまだ閉まっていました。
此処からO Portoまで約63kmあり3日はかかりますがサンティゴで11月3日に用事がありどこ
かで日程を短縮する為、スキップしなければなりました、
このアルベルガリア・ア・ヴェーリャ(Albergaria-a-Velha)からポルト(Porto)バスも
有り丁度午後1時発との事であったのでここからポルト(Porto)迄バスで移動しました。
民族博物館(Museu Etnográfico da Região) | 教会(Mourisca do Vouga)を望む |
崩落した橋(Ponte Romano) | 林間の巡礼路入り口 |
Albergue Rainha D. Tereza | Albergaria-a-Velhaの広場 |
(4) ポルト(Port) <10月22日(日)>
ポルト(Porto)はポルトガルの北部にある港湾都市でリスボン(Lisboa)に次ぐポルトガル
第二の都市でです。人口は約26万3千人でドウロ川(Rio Douro)の河口に近くポートワインで
有名な世界遺産のドン・ルイス1世橋(Ponte Dom Luís I)付近には多くのワイン倉庫が並ん
でいます。
旧市内もポルトの歴史地区には聖グレゴリウス聖堂(Igreja dos Clérigos)、12世紀に建設され
たロマネスク様式のポルト大聖堂(Sé do Porto)及びポルサ宮(Palácio da Bolsa)等があり
ここも世界遺産に登録されています。
アルベルガリア・ア・ヴェーリャ(Albergaria-a-Velha)からバスで一時間程度でポルト( Poro)
へ着いて午後は市内を観光したが観光客が大変多く街中やドウロ川(Rio Douro)に架かるドン・
ルイス1世橋(Ponte Dom Luís I)の付近は大変な賑わいでした。
Capela das Armas | Igresia dos Congregardos |
R de Ferreira Borgese | ドン・ルイス1世橋(Ponte Dom Luís I) |
(5) ポルト(Porto)からラテス(São Pedro de Rates) 25.8km 46,528歩
10月23日(月) 晴れ
Porto(07:10)ー Custio(07:40)- Ponte Moreira(08:10)ー
Mosteiro(09:55)-
Giao(10:20)- Refugio de peregrinos Vilarinho(11:40)
- Ponte de Zameiro (12:30) ー St. Migel de Arcos(13:45)
- Albergue de peregrinos S. Pedro de Rates (14:55)
ポルト(Porto)は1日程度観光に充てたいとこでしたが先へ急ぐことにしました。
市内は巡礼路はビル街や商店街の一般道をを歩くことになり、ザックを背負っての歩きは好き
ではないので市内の地図で調べて地下鉄(C号線)のクスティオ(Custio)駅迄行くことに
しました。朝の通勤時間ではあるが幸いにも混雑はしていません。
駅を降りて道路へ出ると直ぐに巡礼路の矢印を見つけたのでバル(Bar)に立ち寄り朝食を
食べてスタートしました。
巡礼路は住宅街の道をやや下ってモレイラ(Moreira)の橋(Ponte Moreira)を渡ります。
ここからモレイラ・デ・マイア(Mosteiro da Maia)付近は歩道に無い国道(N-13)沿い
を歩く事になり月曜日の為か交通量も多く非常に歩きにくい状況です。
やっと交通量の多い道路から離れて畑を望む道になり、モステイロ(Mosteiro)では住宅街に
入りますが今度は石畳でやはり歩きにくいのには変わりがありませんでした。
巡礼路は国道(N-306)を歩きジアン(Giao)付近もも住宅街の続く巡礼路であったが住宅の
前にポルトガルの道(Camino Portugués)の道標があり、やっとポルト(Porto)からの
道も巡礼路らしくなってきました。
一旦林をの中を通り過ぎヴィラリーニョ(Viarinho)の街中へ入ると住宅街の角にAlberugue
の看板(Refugio de peregrinos Vilarinho)があり立ち寄ってみましたが、まだ時間が早い
ので門は閉まっていました。
ここから次のAlberugueのあるラテス(S. Pedro de Rates)まで11kmありますが、天気も
良いので軽く昼食を食べて歩くことにしました。
街から歩き始めると直ぐに道路(N306)から横道に入りアベ川(Rio Ave)の畔へ下って行く
と素晴らしい石橋(Ponte de Zameiro)がありました。全長は30m程度と思われますが近辺
は緑が多く静かな雰囲気で川面に映る木々の緑を背景とした姿は素晴らしい情景でした。
ヴィラリーニョ(Viarinho)に泊まって早朝の暗い中で歩くとこの雰囲気はないかと思います
のでこの時刻で良かったと思いました。
ジュンケイラ(Junqueira)まで再び国道(N306)に戻りましうが、そこから林もある農道の
様な道になり、小さなエステ川(Rio Este)の橋を渡って高速道路(Aー7)の下を通り抜ける
とのどかな道になりやがてラテス(S. Pedro de Rates)のAlberugueの前に着きました。
このAlbergue(Albergue de peregrinos S. Pedro de Rates)は公営(Municipal)で裏手
の中庭には農機具を展示した建物も有り比較的大きい設備です。
着いた時にはホスピタレロがいなかったのでベットを確保してシャワーを使って休んでいました。
夕方には20名程度の巡礼者が到着しましたが総ベット数は50名分でゆっくり休むことが出来ま
した。 多くの巡礼者がここまでポルト(Porto)から海岸の道(Caminoho da Costa)を歩い
てきた方が多くおりました。
モレイラの橋(Ponte Moreira) | モステイロ(Mosteiro)の十字架 |
ジアン(Giao)の標識 | Refugio de peregrinos Vilarinho |
Ponte de Zameiro | Albergue de S. Pedro de Rates |
(6) ラテス(São Pedro de Rates)からポルテラ・デ・タメル(Portela de Tamel)
25.3km 43,205歩
10月24日(火) 晴れ
Portela(07:15)ー Pedra Furada(08:50)- Pereira(08:10)
ー Carvarhal(10:30)-
Barcelos(11:25)- Via Boa(12:50)
- Portela de Tamel<Albergue de S.Pedro Fins> (14:20)
朝のやや暗い中を出発すると直に林の中の巡礼路に入り気分の良い道を歩くことが出来ま
した。約1時間半程度すっかり収穫を終えた畑の中を通り過ぎると国道(N306)に出て
ペードラ・フラーダ(Pedra Furada)の村に着き住宅街の道になりましたが、道路脇には
小さなほほえましい祭壇も観られました。
ペレイラ(Pereira)から国道(N306)を離れ再び住宅街の道を歩き高速道路(A-11)を
過ぎるとペレイロー(Pereiro)にポリトガルらしい尖塔のある教会(Igreja de Carvarhal)
の建物があります。やがて国道(N-205)の下を通り過ぎるとカーヴァド川(Rio Cávado)
に架かる橋を渡りバルセロス(Barcelos)の街へ入ります。
バルセロス(Barceros)はローマ時代の植民市都市で現在はプラガ県の人口約2万人でです。
この街を象徴するシンボルは雄鶏伝説でオ・ガロ・デ・バルセロス(O Galo de Barcelos:
バルセロスの雄鶏)と言われてます。また織物業と日干しレンガの生産でで有名な街です。
旧市街へ入るカーヴァド川(Rio Cávado)の橋(Ponte Medieval)へ着くと対岸には教会
(Igreja Matriz da Paroquia de Santa Maria Moior)が石垣の高台にそびえています。
この教会(Igreja Matriz da Paroquia de Santa Maria Moior)はバルセロスの聖母マリア
教会と呼ばれていますが、献堂は14世紀でロマネスク様式からバロック様式が見られます。
内部はアズレージョの壁で飾られた素晴らしい礼拝堂です。
教会の背後には市庁舎(Paco do Concelho)の建物が見えています。市庁舎は18世紀に建設
されたゴシック様式の重厚な外観の建物ですが現在でも市議会、レセプション等で使用されて
います。
市庁舎の横を通って旧市内の通りを抜けると明るい広場(Largo da Porta Nova)に出て六角
形の特徴あるボム・イエス・ダ・クルス寺院(Templo do Bom Jesus da Cruz)があり、
見所の多いバルセロス(Barcelos)の市内はゆっくり市内見物をしてみたいところです。
今日はここから約7kmのポルテラ(Portela)のアルベルゲまで歩きたいので広場からやや
通りに入ったパン屋でボカディジョを作って貰って食べましたが、さすがにパン屋だけあり美味
しいパンでした。
国道(N103)を通りバルセロス(Barceros)の街を抜けてしばらく鉄道の線路を歩き線路を
渡るとやや高原上の田舎道になり水場(Fuente de Ferreirinhe)があって巡礼路らしい雰囲
気を感じます。
道は次第に登り坂になり登りきってやや広い道路(N-204)に出ると直ぐに教会の裏手に
Albergue(Albergue de S.Pedro Fins/Albergue da Casa da Recoleta )がありました。
アルベルゲは2010年の開設との事で建物も新しく設備も良い状況です。親切なホスピタレロが
冷蔵庫に保管している食品を販売してくれ夕方にはパン販売の車も来て購入出来ました。
Igreja de Carvarhal | バルセロス(Barcelos)の街へ入る |
Igreja Matriz da Paroquia de Sta. Maria Moior |
Paco do Concelho |
Templo do Bom Jesus da Cruz | Portela de Tamelのアルベルゲ手前 |
(7) ポルテラ・デ・タメル(Portela de Tamel)からポンテ・デ・リマ(Ponte de Lima)
24.2km 43,326歩
10月25日(水) 晴れ
Portela de Tamel(07:10)ー Ponte das Täubas(07:30)
ーIgreja de São Martinho de Balugães(08:10)- Vitorino de Piães(09:45)
-
国道N-203(11:40)- Ponte de Lima(12:30)
毎朝7時過ぎに出発するとまだ日の出前で薄暗いですが、なんとか道が見え30分程度で明るく
なるので今日も同じ時刻にアルベルゲを出発します。
教会の横から道路(N 204)へ降りて直ぐに農道のような道へ入りブドウ畑の中をしばらく歩く
とネイラ川(Río Neiva)に架かる石橋(Ponte das Tábuas)がありました。川幅もあり見応
えのある石橋でした。
国道(N308)の道路を横断してやや高台の住宅街を歩くと、公園のような場所にロマネスク様式
と分かる小さな教会(Igreja de São Martinho de Balugães)が建っていました。
道路脇から写真を撮って丁度村の方が鍵を開けて中へ入って行くところでしたが残念ながら中へ
は入れませんでした。
やや坂道を下り、国道(N--204)を渡ってい時間程度あるくとヴィトリノ・ドス・ピアインス
(Vitorino dos Piães)の村で巡礼路は白い外壁のやや大きな教会(Capela do Cemitério)の
前へ着きました。教会の壁面には"ファイティマ(Fatima)の聖母"100年の案内が掛かっていま
した。
今年は記念行事もあったようでこの後の教会にも同じようにポスターなどがありました。
この付近からブドウ畑が続いており日本と同じブドウ棚で作っています。巡礼路はこのブドウ畑の
中を歩く箇所もあり収穫前のシーズンであれば見事であったと思います。
ポルトガルの道は平坦な道と思っていましたがこの付近は意外に小さなアップッダウンが多くあり
ます。
やがて住宅街の道になり小さなトローベラ川(Río Trovela)を渡るとバロス(Barros)で巡礼
路沿いに17世紀に建てられた小さな礼拝堂(Chapela de Nossa Senhora)があり、民家の壁に
ポンテ・デ・リマ(Ponte de Lima)へ1kmの看板がありました。
やや林の中を歩いて行くと川の流れの音が聞こえて広い河原の公園へ着き、ここから壮大なローマ
橋(Ponte romana e Medieval)が望めます。
前を流れるリマ川(Río Lima)は川幅も広く水も綺麗でゆったりと流れています。
ポンテ・デ・リマ(Ponte de Lima)は人口約4万3千人の小さな町ですが、町のれきしは古く
ポルトガル建国以前の1125年にポルトガルの初代国王の母親であるドナ・テレザ(D. Teresa)
から最初の勅許状を授与されました。
ポルトガルで最も美しいとされるローマ橋(Ponte romana e Medieval)は380mの長さがあり
ます。またこの町は毎年イースター後の春に開催される牛追い祭り(Vaca das Cordas:ヴァカ・
ダス・コルダス)が有名です。
しばらく河原の公園で休んでからポンテ・デ・リマ(Ponte de Lima)の街中へ入り昼食を食べ
てアルベルゲが開くのを待ちました。アルベルゲは石橋(Ponte romana e Medieval)を渡った
所に有りました。
夕方に日本人の福岡からとの巡礼者(男性)が着きました。彼はリスボン(Lisboa)から歩いて
いるとのことで、途中にファティマ(Fatima)も軽油してきたと言っておりました。ザックが
大きく15kg以上あると皆に驚かれていました。
Ponte das Tábuas | Igreja de São Martinho de Balugães |
Capela do Cemitério | Ponte Romana e Medieval |
Ponte de Lima 川岸の広場 | Albergue de Ponte de Lima |
(8) ポンテ・デ・リマ(Ponte de Lima)からルビアンイス(Rubiães)
18.1km 31,829歩
10月26日(木) 晴れ
Ponte de Lima(07:15)ー Ponte Arco de Geia(08:15)ー Revorta(09-40)
ー Curz dos Frances (10:50)- Alto(Revotela Grande)(11:05)
- Rubiães(12:20)
今日はルビアインス(Rubiães)約18kmと距離は短いが途中に約400mの峠越えがあります。
一緒に宿泊していた仲間も今朝は早めに出発しました。
この近辺もブドウ畑が続き高速道路(A-27)を過ぎるとアルコゼロ(Arcozelo)の村にポルト
ガルらしい鐘楼のある教会(Igreja matriz)があります。
やや静かな林に入ると河(Rio Labruja)を渡る石橋(Ponte Arco da Geia)がありました。
巡礼路は高架になっている高速道路(A-3) の真下で再び川を渡りますが右手の堰堤を渡るよう
になっているのに気づかず渡る箇所を探していると後から来た巡礼者に声をかけられて注意して
くれました。
やがて巡礼路は高速道路(A-3)を左手に見上げながら徐々に登り道になります。やや登った
コデサル(Codeçal)の村に小さな礼拝堂(Ntra. Señora das Naves)があり前にBarがあり
皆と一緒に休憩しました。
Barの裏手からから山道になり傾斜も急になりました。かなり登ったかと思ったところに十字架
(Cruz dos Frances)が建っていましたが、登り道は更に15分程度続きやっと峠(Alto da
Portela)に着きました。
標高差では350m程度だったのですが意外に登りでのある道でした。
峠で暫く休憩して下りにかかると1時間程度でサン・ロケ(São Roque)の道路(N-201)へ
降りて暫く歩くとルビアンイス(Rubiães)のアルベルゲの前へ出ました。
アルベルゲは建物も新しく隣にBarもあって見晴らしの良いベンチでビールを飲んでボカディ
ジョの昼食としました。
夕方に一緒に歩いているフランス人の神父と仲間が近くの村の教会を借りてミサをやって頂け
印象的な夜になりました。
教会(Igreja matriz) | 石橋(Ponte Arco da Geia) |
コデサル(Codeçal)のCapillaとBar | 途中の十字架(Cruz dos Frances) |
峠(Alto da Portela Grande de Labruja) | Albergue de Rubiães |
(9) ルビアンイス(Rubiães)からトウイ(Tui)
19.3km 33,800歩
10月27日(金) 晴れ
Rubiães(07:15)ー São Bento da Porta Aberta(08:35)
ー Fontoura <Fuente>(09-40)ー Ponte Pedreira(10:25)
- Túido<N-13>(11:15)- Valença do Minho (12:10)ー Tui(13:20)
今日でポルトガルの区間を終えてスペインへ入るので気分的に高揚して朝を迎えました。
アルベルゲを出て一旦道路(N-201)へ降り、直ぐ脇の巡礼路へ入って暫く歩くと今度は
小さなアップッダウンがある住宅街になり石橋を渡ると道路(N-201)へ出ます。
そのいまま道路(N-201)を横断すると静かな林道に入り緩やかな登り坂を登りきると
道路(N-303)へ出て教会(Igreja São Bento da Porta Aberta)がありました。
前を歩いていたフランス人神父のグループがザックを下ろして教会の入り口の前でお祈りを
始めました。
教会の裏手から山道のような急な下り坂になり木々の間からヴァレンサ(Valença)の方角
が良く見渡せます。さらに山道になっている巡礼路を下ってフントウラ(Fontoura)の村
を過ぎ、道路(N-201)を横断するとパーソス(Paços)の村へ着き入り口にファティマ
(Fatima)へ300kmや各地への距離が書かれた看板の立つアルベルゲ(Albergue Quinta
Estrada Romana)が建っていましたがあいにく人影がありませんでした。
小さな川に架かる石橋(Ponte Pedreira)を渡ると開けた住宅街になり、やや街外れの
ところに商店があったのでりんごを買って前のバス停で休みました。
ここからは住宅街の道になり単調な道路を淡々と歩きましたが道路(N-13)を渡った住宅街
に大きな十字架が立っています。 やや工場の脇を歩いて鉄道線路の下を潜るとバスターミナル
の広場へ出てヴァレンサ(Valença do Minho)の街へ入りました。
ヴァレンサ(Valença do Minho)はスペインと国境を接する都市であることから星形要塞と
言われるヴァレンサ要塞(Fortaleza)に囲まれた中に旧市街があります。
現在の要塞17,18世紀に建設されたもので壁の周囲は約5Kmの規模があります。
街路樹のきれいな商店街の通りを抜けるとスペイン通りに面した交差点があり、やや坂道を
登ると城壁の前に着き門(Portas do Sol)を潜って城内へ入りました。
城壁内の通りには布製品を販売する店が並ぶ通りがあり、城壁のテラスからスペインとの国境を
流れるミンホ川(Rio Minho)とスペイン側のトウイ(Tui)の街をを見渡す事が出来ます。
城壁には砲台等も残っておりかつてスペインとの国境を守る重要な拠点であった事が偲ばれます。
城壁内のの東側の教会(Igreja de Santa Maria dos Anjos)も見逃せません。
ヴァレンサ(Valença do Minho)の街については予備知識の無いままでしたが要塞内の博物館
展望も素晴らしい見所のある街です。
ミンホ川(Rio Minho)を見渡せるbarのベンチでビールとボカディジョでのんびりと昼食を食
べることが出来ました。
要塞を降りてスペイン通り(Av. de Espanha)からにミンホ川(Rio Minho)架かる大きな橋
を渡るとスペインの看板が迎えてくれます。パラドール(Parador de Túi)の脇を抜けて旧市
街に建つカテドラル(Catedral)を目指して街へ登りました。
今日は私営(Privard)のアルベルゲへ泊まることにしました。
ヴァレンサ(Valença )を望む | 道路(N-13)付近の十字架 |
ヴァレンサ(Valença )の街中 | ヴァレンサ要塞(Fortaleza) |
ミンホ川(Rio Minho)を渡る | トウイ・カテドラル(Catedral de Tui) |
トウイ(Tui)からサンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)へ続く